補聴器は考え方次第で、満足するかしないかが決まる
こんにちは。フォーラム21の補聴器販売員の松本です。
今回は補聴器とはどういう物なのかをご案内しようと思います。
補聴器をお使い頂くお客様の中には「必要な時に使える補聴器」をお探しの方がおられますが、最終的には眼鏡同様【体の一部】にして頂きたいのです!朝起きてから、夜寝るまで装着して頂く事が望ましくなります。
しかしながら、装着し始めは継続的にご使用いただく事で【煩わしさ・疲れ】などが現れやすいため、あまりご無理をなさらないようにして下さい。その日の体調と相談しながら気分が良い日は少しでも長くご使用下さい。
なぜ「必要な時にだけ使う補聴器」では駄目なのでしょうか・・・。
それは【耳と脳を慣らす必要がある】からなんです!
例えば、学生時代に野球で甲子園まで出場し、150kmの速球を投げるエースだった方でも、30年以上ブランクがある状態だといきなり150kmの速球は投げる事は、ほぼ不可能なのではないでしょうか?
しかも学生と同じ動きをしようとしても頭では理解していても身体がついてこない・・・。もしかしたら怪我をしてしまうなんてことも・・・。
では、昔のようにボールを投げるようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
そうです!ゆっくり準備運動をしながら、今の身体に合せたトレーニングを行いながら、少しずつ少しずつ身体の記憶を呼び覚まそうとします。
それでも昔のように150kmの速球を投げるのは難しいでしょう。しかし、トレーニングをしていなかった時としっかりトレーニングをした後では、間違いなく球速はあがっているはずです。
補聴器もトレーニングと同じ事が言えます。
年齢と共にゆっくりと低下してきた聴力に、「音と言葉」という「情報」を与えてあげる事により【脳に刺激を与える。すなわちトレーニングをする】という事をしていきます。
トレーニングをした脳は、少しずつ補聴器の音に慣れてくれます。すると、今の音では徐々に物足りなくなってきて、「今の補聴器の聴こえでは頼りない。満足出来ない」という感覚が出てくるようになります。
そこで、音量調整や音質調整を行い、再度ご使用頂けるように調整を行います。補聴器はこれを繰り返し行う事で、少しずつ聴こえに違和感なくご使用頂けるようになっていきます。
となれば、継続的に使用する事で聴力がどんどん良くなって最終的には補聴器が無くても聴こえるようになる・・・と言いたいところなんですが、残念ながら答えは「いいえ」なんです。
現代の医学では加齢が原因で低下してしまった聴力は治す事は出来ません。現状の聴力の状態によっては聴こえにくい声、または聴こえない声に関しては調整しても、完全に聴こえるようにはならない可能性がある!という事をご理解下さい。
例えばご家族様との会話、お友達お知り合いとの会食時の会話は重視するが、電話は諦める。家の中での会話とテレビの聴こえは重視したいが、外出した時の聴こえは多少聴こえにくくてもしょうがない。など、どこかの部分を腑に落として頂く事で補聴器に対しての満足度も変化してきます。
補聴器を着ける前の聴力が50点だった方が補聴器を装着したことによって75点になった。そこで満足するのか100点でないと不満に感じるのかでは大きな差があるということです。
とは言うものの、補聴器はご使用されているご本人お一人の力では聴こえを獲得して頂くには不十分なのです。
ではなにが必要なのでしょうか?
それは【ご家族様や周りの方の協力が絶対不可欠】という事なんです!!
私自身も補聴器に携わるまでの感覚としまして、 「補聴器を装着している方は、他の方と変わらないくらいの聴こえを獲得している。」 と思っていました。ですが、【難聴の方の耳の状態によっては聴こえにくい音や声、または聴こえない音や声がある】という事だったのです。 私たち健聴者でも同じことが言えます。
例えば、本を読んでいたりテレビと観ている時、家族に前触れなく後ろから声をかけられても気付かなかったり、気付いてもなんと声をかけられたのか解らなかったりと、そういうご経験をされた事はあると思います。でも、正面から声をかけられたり、肩をたたかれたら気付きますよね?それと同じ事なんです。このような事例を補聴器を使用されるご本人様もご家族様もご理解いただいているだけで、お互いのストレスは軽減されますし、補聴器に対して前向きになっていただく事ができます。
しかしながら、正面からお話しをしていただいても、聴こえにくい場合があります。それは、周りの方の話し方や環境に左右されているかもしれません。ご家族様の話し方によってはもっと会話を楽しんでいただく事ができるかもしれません。
それでは、補聴器が得意をしている環境とはどのような状況なのか?
それは、 【静かな場所で1mから2mくらいの距離、そして正面を向きあった状態で 1対1、または2対1の人数でゆっくりハッキリと会話をする】
となります。という事は、逆を言えば
「騒がしい場所や大きな会場で大人数いて、色々方がお話ししている環境で、お相手が早口だったり声が小さかったりすると聴こえにくい」
という事なんですが、この状況って私たちも聴こえにくい環境だとは思いませんか?
そうなんです!補聴器を装用いただく事によって会話を楽しんでいただける環境になるかどうかはご本人様の前向きな姿勢、ご家族様や周りの方の協力体制があってこそだと考えます。
補聴器は決して「恥ずかしい物」ではありません。
補聴器を付けないで、大切な方との会話を「から返事」していると人間関係・信頼関係に支障をきたす事になりかねません。
様々なご希望やご要望にお応え出来る商品が登場してきている補聴器ですが、まだまだ補聴器所有率が低いのも実情です。多くの方により良い補聴器ライフを過ごしていただけるよう、お手伝いさせていただきます。
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